画像のディジタルデータ化
現在の計算機は、基本的にはすべて整数や実数の計算を高速に行う装置です。したがって、計算機で画像を取り扱うためには、アナログデータである画像をディジタルデータ(数値)化する必要があります。→ディジタル化された画像の例
画像は2次元平面(静止画の場合)のデータですから、画像をディジタルデータ化するためには、画面を細かく碁盤の目のように区切った(標本化)うえで、その1点1点の明るさも数値化(量子化)する必要があります。
下図では、左の元画像を中央の図のように7x7の点に標本化し、標本化された各点の明るさを0(黒)〜10(白)の数値に量子化した例を示しています。
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ディジタル化の概念図 |
ディジタルデータ化して取り込んだ、画面の一点一点のことを画素と呼びます。画素をピクセル(pixel)と呼ぶこともあります。
1画素の明るさ(カラー画像では色)のデータも、数値化します。これを画素の輝度値(濃度値)といいます。
カラー画像の場合、各画素の色をRGB(赤緑青、光の三原色)の成分に分解して数値化することが一般的です。
- ディジタル化するための装置の例
これらはいずれもCCD(Charge Coupled Device)という装置を用いて、光を電気信号に変えて画像のディジタル化を行います。
なお、医用画像の場合、とくにCTやMRIではコンピュータが各種の検出器の出力を元に直接ディジタル画像を作成します。
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CT/MRI画像生成の概念図 |
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1画面の画素数の例
一画面の画素数が多ければ大きいほど、より細かい部分を表現できますが、取り扱わなければならないデータ数はより大きくなります。→一画面の画素数を変えてみた例
- パーソナルコンピュータ:640x480(VGA),1024x768(XGA),1280x1024(SXGA),1600x1200(UXGA) など
- ディジタルカメラ:2848x2136(600万画素),2048x1536(300万画素),1600x1200(200万画素) など
- コダックPhotoCD:1536x1024,3072x2048
- MRIデータ:256x256,512x512
- ディジタル方式X線撮像装置:2048x2048
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1画素あたりの階調(区別できる明るさの段階)数の例
- カラー画像の色成分の分解例
- RGB(赤緑青)への分解:画面表示等(加法混色に基づくもの)
- CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)への分解:印刷用(減法混色に基づくもの)
さらにCMYKとして黒(blacK)を付加することも、印刷では用いられます。
- YUV(YCbCr)への分解
明るさ(輝度)と、色の成分とに分解します。人の目が輝度の変化には敏感なのに対して、色の変化にはそれほど敏感でないことから、テレビやJPEGなどの画像の圧縮を行う際に用いられます。
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katahira@med.akita-u.ac.jp