階調値の部分拡大強調

 一般に、輝度(階調)に関する処理は、変換前(入力)と変換後(出力)の画素値の対応表(テーブル)を作成し、それに基づいて各画素の輝度値を変換することによって行われます。

 たとえば、以下の画像とそのヒストグラムを見てください。

標準画像 chromosome
標準画像 chromosome のヒストグラム

 ヒストグラムより、すべての画素が画素値10〜60の間の輝度を持っていることがわかります。
 そこで、以下に示すような入出力関係を持つ対応表を用いて、下限10から上限60の間の画素値を、0〜255の画素値に拡大変換します。

標準画像 chromosome のための部分階調拡大変換テーブル
(横軸:入力値、縦軸:出力値)

 このようにして変換した標準画像 chromosome の画像と、そのヒストグラムを以下に示します。ヒストグラムが全体的に広がり、画像のコントラストが改善されているのがわかります。
 このような階調の拡大強調処理を、画像全体の画素中の輝度の下限値と上限値を検索することによって、自動的に実行することも可能です。

標準画像 chromosome
標準画像 chromosome (変換後)
標準画像 chromosome のヒストグラム
標準画像 chromosome のヒストグラム (変換後)

 ほかのグレイスケール画像に対して、階調部分拡大処理を行った例を以下に示します。

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katahira@med.akita-u.ac.jp